大屋町(島根県大田市)

日本遺産『鬼 岩』

『鬼 岩』


 日本遺産『鬼岩』の所在地大屋町鬼村(おにむら)は全国で唯一『鬼』の名がつく地名ですが、地名の由来の一つと言われる奇岩『鬼岩』が地域のシンボルとなっています。
 この岩は鬼が運んできたいう伝説があり、島根県の天然記念物となっていましたが、令和2年6月に日本遺産『石見の火山が伝える悠久の歴史』の一部とし認定されました。
 20年前から住民の手で公園として整備され、岩の前を流れる小川の両岸は彼岸花の群生地として復活し、県内外から訪れる人も増え、三宅裕司さんも『ふるさと探訪』の番組で突然訪問され、感嘆の声を上げられました。
 日本遺産認定を契機にもっと多くの人に魅力を伝えたいと,有志で構想を練っているのが、地元の自然石を使った大きな『鬼村の願い岩』像の制作、設置計画です。
 鬼は悪い者というイメージですが、『鬼の一夜城』という鬼岩伝説では改心た鬼が村人を守り、悪霊を退散させたとされます。
 この伝説をもとに鬼の石像を立て反省や願い事、誓いを立て力強く生きていくためのパワースポットにしたいと思っております。
 現在世界で『鬼滅の刃』のブーム、本家はこちらと意気込んではいるものの、多額の建設費が必要で資金の確保が難しく、対応策を模索中です。
 資金提供者を広く募るためのアイデアも出ていますが、石像は後世にも残るものです。焦らずまずは全国に情報発信に努めてまいります
『鬼岩』と彼岸花
鬼村の願いの像(仮称)イメージ模型
『鬼岩』
『鬼岩』と神楽

鬼岩伝説(鬼のいる村)

『むかしむかし近くの山に鬼が住んでいました。時々人里にあらわれ、乱暴なふるまいをしていました。
ある日のことでした。鬼があらわれ、「城をこの村につくらせてくれ」と村人に相談をもちかけてきました。
しかし、村人たちはきっぱりと断りました。困った鬼は観音さまのところへ相談にいきました。すると観音さまは、「夜明けまでにつくれば許す」と言われました。
鬼はたいそう喜んで、夜明けまでに完成させるいきごみで仕事をはじめました。
さすがに鬼のやることは、ものすごいものでした。力にものをいわせて、人間が数か月かかるような仕事でも、鬼は数分のうちにやってしまいました。
この鬼のはたらきぶりを、観音さまはじっとみまもっていました。
観音さまは「ほんとうに鬼が夜明けまでに城をつくれば、村の人々は困るにちがいない」と思われました。
そこで、鬼の仕事をやめさせるに妙案はないものかと思案していました。
観音さまは、両手をうって喜んだようすで「鬼をごまかしてやろう」といわれました。
夜中に、にわとりの鳴き声をまねして、夜が明けたようにおもわせました。その声を聞いた鬼は「ああ、間にあわなかった」と言って、途中で石を投げ出し、一目散ににげていきました。
鬼が力をふりしぼって運んだらしく、カタイ岩に五本の指跡がはっきりと、残っていました。
以来、村の人々は五つの穴に観音さまをまつり、村を護ってもらったお礼を言い、毎年法要をおこなうようになりました。そして、この地区を鬼村と言うようになりました』
鬼の五本の指跡と祭られた地蔵
祭られた観音

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 大屋町は大田市市街地の西部に位置し、令和2年6月に日本遺産石見の火山が伝える悠久歴史の構成文化材として認定された 『鬼岩』(島根県天然記念物)があり、明治初期の結成以来、約150年の歴史を持つ石見神楽団大屋神楽社中が活動の拠点を置いています。
 また、昭和時代から放映の続くテレビ漫画『サザエさんの主題歌を作詞した作詞家 林 春生氏が、幼少期から青春期を過ごし、全国でも珍しい『鬼』がついた地名『鬼村』がある、のどかな山間の集落です。









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